会いに行きたくなる。彼女の両手

主人が亡くなり、残務処理でバタバタと月日が過ぎていきました。

眠る事もできなくなり、身体が悲鳴をあげている事もわからずに日々忙しくしていたある日
父が「マッサージでもしてこい」と、声をかけてくれました。

私はいつもいく温泉施設でマッサージをしてもらう事にしました。

30分程軽めに温泉につかり、時間がきたのでマッサージ室に入りました。
そこは3人の女性と1人の男性の方が施術してくれる所で女性か男性か選べるようになっていました。

私はある年配の女性の方が施術してくれる事になり
ベットに俯せになりました。

彼女のマッサージは今まで味わった事のない気持ちのいいものでした。
「こんなに身体全体凝っている人は、私は今まで出会った事がないよ」
そう言う女性を横目でちらっと見ると、彼女の顔は汗が噴き出ていました。

素人でもわかりました。
(この人は、一生懸命マッサージをしてくれている)
そう思うと同時に私は少し眠りました。

60分の施術が終わる頃には私の身体はとても楽になっているのがわかりました。

「あと30分追加する事はできますか?」
私は、軽くなった身体がもっと軽くなりたくて聞いてみました。

「ゆっくりしますからね、揉み返しも心配いらんよ。あたなの身体は随分と可愛そうや」
そう言って、手を休める事もなくゆっくり優しく施術してくれました。

彼女の手は揉むと言うよりも、さするほうが多くて、私の身体にとても合っていたのだと思います。

合計1時間半のマッサージは、身体が軽いと言う事がこんなに楽なんだと教えてくれました。

それから時々、私は身体が重たくなったら彼女を指名してマッサージをしてもらうようになりました。

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